クルスペ(旧東ドイツ)製のファゴットです。 先日某オークションで落札しました。 おそらくヤマハによって輸入され国内販売された楽器と思われます。(ヤマハは自社でファゴットの製造を開始するまではクルスペとモースマンのものを輸入販売していました) まだ十分使うことができる楽器ですが、思っていたよりも使う機会がなく、どなたか古いタイプの楽器がお好きな方や安くても良い楽器をお探しの方にお譲りしたいと思い出品しました。 (全体の状態) 管楽器・木管楽器専門の修理工房であるオークションの出品者様がご自分の工房でオーバーホール済みの状態(タンポ交換、各ジョイントコルク・U字管コルク貼り替えなど)ですので、特に調整することなくすぐ使えます。 キイなどの金属部分は銀メッキです。 古い楽器の割には状態は良いと思いますが、全体的に経年に伴う汚れや塗装・メッキの傷みなどがあります。またテナー・ロングジョイントの根元辺りに組み立てる際にできた擦り傷があります。 金属部や木部の詳しい状態については写真をご覧ください。 (ボーカルと他の付属品) 付属するボーカルはヒューラーの1番です。 (ご存知の方もいらっしゃると思いますが、当時クルスペとヒューラーは同じ会社だったので、ボーカルはおそらく元々楽器に付いていたオリジナルと思われます) ピッチは自分のリードではA=442Hzで問題なく演奏可能です。 写真にはありませんがハンドレストとそれを留めるネジ及び写真のオリジナルのケースが付属します。バランサーはありません。 (音色・音程) リードにもよると思いますが、自分のリードでは、開かずにまとまった柔らかい響き(倍音)のある音がします。オーケストラや室内楽での演奏に向いていると思います。 古い楽器では元来の設計や組立、また経年劣化による木部のトーンホールの変形などのため時折音程に難のあるものも見受けられますが、この楽器では特に問題になるような音はないと思います。低音F#等各音ごとの音質のばらつきも特に無いように感じました。アマチュアオーケストラ等でも十分に使うことができる楽器と思います。 入門用の楽器やサブ楽器、またお持ちの新しい楽器と少し違う昔のタイプの楽器をお探しの方、また今は無くなってしまったメーカーの楽器ですのでコレクターの方にもお薦めします。